もう一週間ぐらい前の話ですが、アイリス餅実装きましたね。
WebやTwitterをみて驚いたのが、この武器の評価が真っ二つに割れていることです。
主にランクカンストしているTA勢の人たちはこの武器をあまり評価しないのに対して、
大手攻略サイトやゆる勢の評価は高いです。
あまりにも意見が食い違うため、中には口調が荒っぽくなっている議論もありました。
武器論議は楽しいですが、「この武器を評価する(しない)なんて頭はどうなっているだ」みたいな人格攻撃を含む攻撃的な主張には気をつけたほうが良いですね。人と人のやり取りですから、生産的な議論になればいいと思います。
では、まずモチーフの内容から。
<アイリスモチーフ>
オートスキル
①HP80%以上で攻撃速度・アクションスキル強化+50%
②敵撃破時3体毎にSP10%回復
③HP15%以上で即死回避
武器スキル (消費SP46)
攻撃力UP(60秒/50%)
通常攻撃ダメージUP(60秒/50%)
状態異常バリア(60秒/5回)
私の第一感は、詰め込めるだけ詰めっ…詰め込もうぜ~って感じですね。
とにかくいらないオートスキルや武器スキルを搭載した感じ。
第1オートスキルは攻撃速度と条件付きAS強化。最近流行りの抱き合わせオートスキルっすね。
第2オートスキルは良武器の前提条件にもなる信頼と実績の撃破SP回復。
第3オートスキルはこれいるの?の即死回避。
武器スキルは状態異常バリア、攻撃アップ、通常攻撃アップとてんこもりになっております。
ではこのモチーフの評価できる点と批判点をまとめてみましょう。
<評価点>
- 状態異常バリア ← (状態異常バリアが有用な協力が現在無い)
- 条件AS50、攻撃50 ← (呪いに比べれば低すぎる)
<批判点>
- 光属性ダメアップがつかなかった ← (光の王バフで十分属性を稼げる)
- 通常攻撃アップ・攻撃速度アップがいらない ← (アサルトチェインや通常攻撃が有効になる)
- 即死回避がいらない ← (万が一シールドが割れたときの保険になる)
- 移動速度アップがつかなかった ← (マッスルゴーレムの石版で代用できる)
カッコ内は反対派の意見からの反論ですね。なかなか緊迫した議論になっている感じがします。
モチーフというものを考える際に重要になってくるのが呪武器のとの差別化ですね。
攻撃+200%、防御会心+100%を超えるのは簡単ではありません。その代わりに呪武器にはデメリットがあるのですが、呪杖の場合はそのデメリットは比較的軽い方だと思います。被ダメージ1.5倍にターゲット距離短縮。アーマーバリアがあるアイリスにとっては被ダメージ1.5倍はあまり怖くありませんし、タゲ短縮はロックオン操作スキルと相性悪そうですが、それを逆手に取ってロックオンタゲを外して多段をする猛者もいらっしゃいます。
従って呪いとアイリスは相性がいいんですね。呪いとの相性が悪いキャラの場合、モチーフは武器としてはそこまで強くなくてもキャラを持っていて使いたいなら交換推奨、という場面が多々あるのですが、アイリスはそういうわけではないです。呪武器ですでに快適な使用感ですから、それを超える快適性がないとモチーフの魅力は出てこないことになります。
とりあえずは、一番わかり易い、火力という指標で図ってみることにします。
<いろいろな状況での火力比較>
ツイッターで計算されていた方がいらっしゃったので引用させていただいました。
これを見ると、どうやら低SP帯での呪いとモチーフの火力の差が大きいようです。
より詳しい検証を自分でしてみました。
結果は以下の表のとおりです。
SPが多い状況と少ない状況、光の王バフがある状況とない状況で区分わけしています。
|
SPマンタン |
SPマンタン光の王 |
SPなし |
SPなし光の王 |
アイリスモチーフ |
340(1) |
410(1) |
230(1) |
320(1) |
呪い |
390(1.15) |
440(1.07) |
330(1.43) |
420(1.31) |
S1のスキルダメージバフが入っている状態で計測
モチーフは武器スキルをかけてある状態で計測
ダメ―ジはゆらぎがあるので参考程度に
白ダメ+属性ダメの合計値を書いています。
石版は、モチーフはマッスルゴーレム/アンフィスバエナ/ヴリトラ/おばけの会心マシマシ
呪いは会心500で止めて良いのでマッスルゴーレム/ウィッチ/アンフィスバエナ/煙る鏡
カッコ内の数字はモチーフを1とした場合の呪いのダメージの倍率です。
ここから分かることは、
①SPがマンタン状態であれば呪いとモチーフの差はそこまでない。
②SPが減れば減るほど、呪いとモチーフの火力差は開く(最大で1.5倍近くになる)。
③光の王のバフは、呪い・モチーフともに火力をあげるが、その恩恵はモチーフ装備時のほうが大きい=モチーフは光の王のバフがあるかないかで火力がかなり変わってくる。
アイリスの紹介記事で弱点が2つあることを書きました。
一つは残りSPによって攻撃防御会心の値が大幅に変わってしまうオートスキルをもっていること、
もう一つは光の王バフの含むS3の使いにくさです。
端的に言えば、呪武器はその2つの不便を解消してくれる武器なのではないしょうか?
攻撃HP80%さえキープできていれば、SPの値がどんな値でも、攻撃は200%上がり、さらに会心も2倍になるため500調整で済みます。
光の王のバフも火力を上げてくれますが、もともと攻撃が200%上がっているので、最悪なくても戦えます。
一方で、モチーフの場合は、SPの値と光の王バフの有無によって、攻撃アップの上昇値が50%~250%まで変動します。会心も最悪1000調整が必要になってきます。そしてよほど無理をしないと会心1000には届きません。そこに呪いのほうが詰める石版を選べる優位性があります。
光の王のバフも、SPが少ない場合は、火力を決定づける重要なファクターになってきます。例えば、SPがゼロの場合、武器スキルだけなら攻撃+50%のところを光の王バフで+100%に出来ます。この上がり幅は、呪い装備時よりも大きいです。
これらを総合すると、また違った側面が見えてきます。
呪いを持たせることの意味は、単に火力を伸ばすためではなく、SPが枯渇したとしても、ある程度戦える安定感を与えることです。
一方で、撃破SP回復がついており優秀だと思われたモチーフは実は、SPが枯渇したら火力が大幅に減ってしまうリスクと隣り合わせだということがわかります。撃破SP回復武器の利点は、敵を倒していればSPが勝手に貯まるのでスキルブッパができるということですが、アイリスの場合は逆に、SPを黒字にしていかないとどんどん火力が下がってジリ貧になってしまうという、ある種の矛盾があります。撃破SP回復がついているのに、SPの厳格な管理が求められるのは、呪いアイリスではなくモチーフアイリスということになります。
<リルムアクセVS撃破SP回復武器>
ここで、最初に示された論点に戻ってきましょう。
つまり、リルムアクセは撃破SP回復の代用になるのか?という疑問です。
リルムアクセの回復率は1体あたり4、タウンマアイリス(約SP320)のアイリス餅での回復率は1体当たり11近く、と純粋な一体あたりのSP回復率で見れば、かなりの開きがあるように思えます。これを代用とするのは難しいように感じます。
しかし、上記のモチーフと呪い装備時の差異を考慮すると、呪い装備時におけるSP回復の意味とアイリス餅装備時のSP回復の意味は全く異なる話であることに気づいていただけるでしょう。
呪いアイリスは、SPが減ってもそこまで火力が落ちないため、SP回復の意味は純粋にスキルを打てる回数を増やすことになります。その為、たとえスキル1回あたり5体を巻き込んで倒すことがせいぜいだとしても、S1の消費は60から40になり、SP回収せずにスキルを打てる回数は5回から8回に増加します(SP320の場合)。
一方でモチーフアイリスにとってSP回復の意味は、スキルをうつ回数を増やすこと以外にも、自身の火力に直結する死活的な問題になっているのです。従ってSPの赤字を軽減できれば十分だった呪い装備時のリルムアクセとは異なり、SPの赤字を無くすことを求められているのです。
従って、リルムアクセは撃破SPの回復の代用にはなりませんが、呪いとアイリス餅では、そもそもSP回復の意味合いが異なっており、役割が違うため代用する必要がない、というのが結論になります。
ちなみに一部で囁かれているリルム餅アイリスですが、その場合はリルムアクセは撃破SP回収の代用ににならずSPは赤字になり、ジリ貧になっていくと思われます。なので、難易度が高い協力での貢献はかなり厳しいと思います。過去のイベントやストーリの島掘りならば火力がなくてもいいですが、その場合は移動速度+30%アクセを付けたアイリス餅アイリスの方が速いと思います。まぁアイリスよりアイリス餅マフユの方が速いですが。
<結論>
アイリスを純粋なアタッカーとして活用するなら、アイリス餅は手に入れる必要がありません。
アイリス餅アイリスはスキル一回の火力が呪いに対して低いし、撃破回復で足りない分のSPもちょくちょく回収しないといけないため、DPSは見かけ上よりも更に下になるからです。
しかし、アイリスは器用なキャラでもあります。例えば、クロニクル協力白では完全な適正ではないものの、適正の闇の王子をサポートしながら雑魚を殲滅するという役割も持てます。
そういうサポートもしながら火力貢献をしたい、という欲張りな欲求を叶えてくれるのがアイリス餅アイリスです。
もちろん、白協力はパルメ+エクルで行ったほうが効率がいいし、分業ができるならアイリスではなく完全なサポート+アタッカー3人の方が早く終るのが大抵のクエストです。サポートとしてみればイロメロの方が優秀ですし、固定でメンツを組めるのであれば、火力もサポートも欲張ったアイリスは器用貧乏に思えます。
しかし、例えばたくさんランマチを利用する人などは、サポートしようと思っても、相手がクソPSや端末だったり、タウンカスだったり、通信が切れたり、ということで、完全なサポート特化キャラで行くのは、クエストがクリアできないリスクと隣り合わせになります。そういうときにはある程度自分でも火力貢献ができるサポートキャラの方が安定するでしょう。ランマチでは専門化・分業化して最大効率を発揮するより、一人である程度できる一般化をするほうが安定が上がり結果的にも効率がよくなるのです。
更にいえば、アイリス餅アイリスは、光属性で属性敵を強引に突破することや、メタル種に対してもある程度戦えます。もちろん出てくる属性敵に対応した属性キャラを出したり、メタル種だったら手数の多い双剣や弓クロルを出す方が効率はいいのですが、そういう適正キャラを手に入れられなかった場合の妥協枠としてのアイリスは、呪いよりモチーフの方が良いです。
そういう大きな視点で見ると、おそらく白猫プレイヤーの人口分布の中では、呪いアイリスがアイリス餅アイリスより常に良い、という状況にある人は限られており少ないのではないかと思います。むしろアイリス餅アイリスのほうが役に立つ状況にある人の方が多いのではないでしょうか?
クエストでの最適性キャラを割りとひける課金者の方、ランマチをまったく利用しないで固定周回をするのが常な方、アイリスを島掘りで利用しない方、この全ての条件を満たして初めて、アイリス持っているけどアイリス餅は不要だ、と言い切ることが出来ます。しかしこういう方々は少数派なわけで、大部分のプレイヤーにとっては”神器”であり交換推奨対象なのではないかと思います。
結局のところ人によって(その人の課金状況、タウン状況、手持ち状況、プレイスタイル状況)によって武器の評価は変わってくるので、「人それぞれ」が究極的な答えなのですが、その「人それぞれ」の中でも、どういった人が必要でどういった人が必要でないのか、という問いはたてられるわけです。
よく攻略サイトでは変な評価がついてる、エアプだ、みたいな笑い話がありますけれども、そういう攻略サイトが想定している白猫プレーヤー層が我々とは異なっているだけで、もしかしたら彼らがが多数派で我々は少数派で、攻略サイトとしては単に多数にとって正解となる答えを出しただけ、みたいなオチだったりするかもしれません。アイリス餅は大抵の攻略サイトで最優秀の評価ですが、今回2つの異なった評価を吟味していくうちに、攻略サイトもなかなか考えて評価しているのではないかな、と感じました。
一応念のためですが、アイリスを持ってない方は、よほど交換武器の貯蔵に余裕があるか、コンプ勢出ない限り、交換する程の武器ではないと思います。「アイリスがどのクエストにも行ける」という意味での汎用性はありますが、「アイリス以外にも持たせられる」という汎用性はあまりないように感じます。魔シャルに合うという意見もあるようですが・・・。
マフユの島掘りに有用そうも見えますが、すでに撃破SP回復武器を持っている人は
、わざわざ交換するほどでもないと思います。状態異常バリアは一見魅力的に移りますが、マフユは精神統一で状態異常回復ができるので、そこまで必要じゃないです。「状態異常にならずにクリア」のサブミ埋めには便利ですが、その利便性のためだけに交換する必要あるの?と聞かれたらNOと答えますね。私はルウシェ餅マフユを島掘りで愛用していますが、アイリス餅マフユではなくルウシェ餅マフユの方がタゲ延長付いている分速いです。
<検証画像>
以下は検証の際の画像となります。
証拠として掲載しているので、興味のない方にはここで記事は終わりです。
①呪いSPマンタン 390万
②呪いSPマンタン光の王 440万
③呪いSPなし 330万
④呪い光の王SPなし 420万
⑤餅SPマンタン 340万
⑥餅SPマンタン光の王 410万
⑦餅SPなし 230万
⑧餅光の王SPなし 320万